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〜漢方の基礎知識〜

●中国古典医学のことを、中国語では「中医」と呼びます。この「中医」の知識が日本に輸入され、江戸時代に独自の発展を遂げたものが「漢方」です。

●中国医学は二千年以上前から続く伝統医学であり、患者の状態は、「八綱弁証」という診断基準によって判断されます。
 「八綱」とは、患者の状態を「陰陽」「表裏」「寒熱」「虚実」のカテゴリーで判断する診断です。
・表裏…病の原因が体の内(裏)と外(表)のどちらにあるか
・寒熱…体の機能が衰退している(寒)のか、過剰になっている(熱)のか
・虚実…自己免疫力などの健康を維持するパワーが衰えているのか(虚)、それとも体内にの健康を害する要素が多過ぎるのか(実)。

 以上の「表裏」「寒熱」「虚実」の対立を「陰陽」でまとめます。(表・熱・実が陽、裏・寒・虚が寒)。

 おおざっぱな例を挙げれば、同じ「咳と発熱がある」という症状でも、その患者が栄養失調状態で肺が非常に弱っていれば「虚寒」になりますし、逆に筋肉隆々でどうみても体のエネルギーが不足していない(むしろ有り余っている)人の場合は、「実熱」と判断されます。

 処方は「八綱」の診断に従って行われます。「虚寒」であれば、体の機能を回復させる為の薬や治療となりますが、逆に「実熱」の場合は、体内にある過剰な熱を取り除く薬と治療になります。つまり、同じ「咳と発熱」でも、その処方は全く逆になるのです。

●このように中医の診断は、患者の体質と状況から病状を判断しますので、当然診断や治療は、ひとりひとりの患者に合わせたものとなり、「この症状にはこの治療(薬)」ということは決してあり得ません。これが、「漢方薬(中医薬)は、例え親子といっても、人の薬を飲んではいけない」理由です。
 実際の診断は、患者の外観を見る「望」、声色や体臭などの異常をチェックする「聞」、病状の経過を聞く「問」、脈を診る「切」の4つの方法で行います。これを「四診」と言います。この「四診」は二千年以上に及ぶ、医学的な経験と研究の上になりたっており、素人が判断することはきわめて困難です。

 例えば高麗人参、ウコンは大変すぐれた漢方薬ですが、有効な「八綱」の組み合わせが非常に限定されており、合わない症状の患者が服用すると、効果が優れている分、却って危険な状態になります。

●しかし、霊芝はどのような体質や状況であっても(中医の用語で言えば、表裏・寒熱・虚実のいずれであっても)害が無く、優れた効果を発揮します。

 この霊芝のように、どのような体質、病状にも対応でき、病気の治療から毎日の健康維持まで広く使える薬を「上薬」と呼びます。毎日服用すると支障があるが、一時の症状悪化に効果がある薬は「中薬」と、そしてデメリットが有るけれど、急激に悪化した症状について緊急に対処したい時に使う薬を「下薬」と呼びます。

 しばしば「漢方薬には副作用が無く、効き目が穏やかだ」と言われますが、厳密に言えば、副作用もデメリットも無い薬を、中医(漢方)では「上薬」と呼び、そして西洋薬の副作用と同様に、何らかのデメリットがある薬の内、そのデメリットが少なく、注意して服用すれば害の無いものを「中薬」、大きなデメリットがあるのでごくまれにしか使用してきない薬を「下薬」と呼びます。

 上薬及び中薬は、体質そのものの改善を目的として処方されます。西洋医学的に言い換えれば、細胞の新陳代謝を促し、身体の細胞をより良い細胞に置き換えさせようとする働きをもっています。したがって、効果が本当に現れるのは細胞や体液が新陳代謝によって入れ替わった後となります。これが、「漢方の効き目が現れるには時間がかかる」理由です。

 また、漢方薬で良く見られる「〜〜散」、「〜〜湯」という名称ですが、これは前者が粉薬を、後者が飲み薬を指します。本来の中医(漢方も含む)は、ひとりひとりの体質、病状から判断して薬を処方し、その使った材料や薬の形状により名前が付けられます。例えば「小柴胡湯」は「柴胡という薬剤を使用した飲み薬」のことで、「寒熱」の症状の時に使います。したがって、もしもこの薬を「熱虚」の人が飲むと、かえって病状が悪化します。

 一般に漢方薬(中医薬も含む)は、副作用が無く穏やかな効き目を持っていると思われていますが、本来は体質に合わせて調合されるものですので、自分の体質に合わない薬を飲むと、上薬と言っても、非常な危険があります。他人に効果があったからといって、むやみに服用しないように、十分にご注意ください。
以上

著・編:仁易霊芝湘南(有)内「仁易だより」編集部
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