仁易霊芝湘南有限会社
学術関係論文 お問い合わせ トップページへ
〜霊芝と中華自然療法〜

著:何永慶 (プロフィール)
「霊芝とその他の保健食品とは、どんな違いがあるのでしょうか?」
 この問いは非常に良い問いだと思います。この質問に回答すると同時に、私が中華自然療法医学の領域、及び霊芝に関連する学術及び臨床方面より得た知識を、つたないながらも皆さんにお伝えし、先達の知恵に学び、共に学ぼうと思います。
もとより、世の中の万物はみなそれぞれの用途がありますが、食事、薬に関しては「性」「味」があります。よって、必ず体質の違いや、季節、土地環境、性格からくる内的、外的な要素を理解しなければならず、理解してはじめて弁証を行い、食事(或いは薬)を配合することができます。しかし、どれが特に良く、どれが特に悪い食事(薬)かを判断するのは、大変難しいものです。ですが、ただ霊芝だけは他のものと違います。
 台湾の自然療法における第一人者、陳紬藝(ちんちゅうげい)中医師は、その著書『自然療法と中国医学』と関連季刊誌『自然療法』において、「中薬(漢方薬)の中には、一切毒を含まず、また効き目の早い薬があるか?」という問題に対し、該当する薬は霊芝であると回答しています(詳しくは論文「生態危機と王道の中医」を参照)。また、台北栄民総合医院の潘念宗博士は、「全世界のレベルにおいて医学が改革を要することになった時には、霊芝が必ず重要な役割を果たす」と述べられています。私もこの意見に賛同するものです。

 潘博士は霊芝が重要である理由を五つ挙げられています。

@霊芝は広い範囲に効果がある

 霊芝は古代より「上薬の冠」(じょうやくのかん)として貴ばれてきましたが、霊芝を長期間にわたって大量に服用してもなんら害が無く、更には人体の自然治癒力を高め、最も良い状態にすることは、千年来に渉って人体が直接服用することにより、経験として証明されています。
 また、用量の上で言いますと、少量の服用は未病(みびょう・症状が表に現れていない病)を、適量は已病(いびょう・発症した病)を、そして大量は末病(まつびょう・末期症状まで到った病)を治すことも明らかになっています。つまり、霊芝の養生効果、保健の効果は非常に広く、効果は卓越しています。もしも中国医学の「弁証論治」(べんしょうろんち)と配合することができれば、現代病、成人病の改善と治癒に大きな進歩をもたらすでしょう。
 中国の数千年にわたる臨床経験にはある法則があります。急病では症状を治し、慢性病では原因を治し、急性でも慢性でもないものは、症状と原因を両方治します。薬または食事の使い方は、必ず「四診八綱」(ししんはっこう)に基づき、運用の範囲を定めます。

A霊芝は毒や副作用が無いだけではなく、解毒作用がある。

 霊芝に毒性がないことは、現代科学の口服急性毒性測試、亜急性毒性測試(共に台湾の食品検査)において証明されており、中医学における証明と完全に一致します。よって、他の西洋医学の薬、中医の薬と併用すれば、その薬のプラス効果を高めるだけでなく、副作用を低下させることが可能です。



 民間では霊芝を解毒剤、酔い覚ましとして広く用いてきました。食物による中毒、農薬、薬物中毒、またはアルコール中毒などは、大量の霊芝もしくは霊芝水を服用することにより、解毒が可能です。具体的には、アルコール抽出後、六倍に濃縮した霊芝を、2〜3時間ごとに1回、毎回3〜5グラムを1〜3日間服用します。
 大陸の研究によれば、霊芝のアルコール抽出液には、四塩化炭素による化学的肝損傷を軽減する効果があります(マウス実験による)。もちろん、先に薬を与えていても、肝炎の発症後に薬を与えても、細胞の損傷の回復、血清中のGPTの降下、肝小葉炎症を起こした細胞の再生において、同程度の効果を現しました。人体自身の持つ解毒能力の多寡は、主に肝臓が正常かどうかにかかっています。現代科学の研究から、霊芝には肝機能を保護、維持する能力があることが分かっています。具体的には血清のGPT,GOT値を降下させる、肝細胞の再生を促進する、肝組織に含まれるトリグリセリドを減少させる、肝臓によるタンパク質合成を促進させる、病原菌の再生と増殖を抑える、ビリルビンを減少させ、繊維状になった肝組織を改善し、SOD活性を回復させるなどの効果が明らかになっています。

B中国医学理論のみならず、西洋科学の学術においても、霊芝は完璧な基礎理論の裏付けを有している。
〜中国医学方面:

 中国医学の八綱弁証では、「固本培元」(こほんばいげん・体の基礎をしっかりとさせ、元気を養う)「扶正?邪」(ふせいきょじゃ・良いものを助け、良くないものを取り除く)が最終的な治療原則です。霊芝は性質が平(へい・熱でも寒でもない)でしかも無毒であるので、薬が熱か寒であるかを判断する八綱弁証(はっこうべんしょう)を省略して良く、ほとんどの人がただ単に使うだけで効果があり、いつでも食べることができます(但し臓器移植を受けた人や、大量出血した人の服用は厳禁です)。
 つまり、「固本培元」と同時に「扶正?邪」を行い、「正」(良い組織、良い細胞)を助けながら「火」(過度の火照り、興奮)を起こさない、「邪」(病毒など)を取り払いながらも、「正」を傷つけない、ということです。

 日本の京都大学で文部技官を務めた直井幸雄氏は、「霊芝はバカチョンカメラのようなものであり、薬理、病理が分からなくても、ただシャッターを押すだけで、適切な焦点に合うのである。」と述べられています。つまり、霊芝は個人の体質に順応し、新陳代謝機能を最適な状態に調整する、ということです、これは、陳紬藝中医師の述べられる「順治」(じゅんち)と図らずも一致しています。



 近年、ソビエト(現ロシア)、オーストリア、イギリスなどの国を主要メンバーとする世界医学会では、西洋医学の薬の副作用があまりにも強いことを鑑み、研究反省の末、新しい治療概念を創出しました。それが「アダプトゲン」(Adaptogen)です。このアダプトゲンは三つの条件から成り立っています。

1.無毒、無副作用であること(nontoxic)
2.効果が広範囲に及ぶこと。
  特定の臓器、器官に作用が限定されないこと(nonspecific)
3.身体各機能の正常化作用を持つこと(normalization)
  全身の快活感を最良の状態に調整し、正常化させ、体内活動のバランスが保たれる状態にする。
  (Self-curative power or Self-healing ability)

 「霊芝と健康」の作者、李旭生教授の説によれば、広い大自然の中でも、このアダプトゲンの条件と完全に合致するのは、今のところ高麗人参と霊芝しかありません。しかし高麗人参は元気(がんき)を大いに補うという良い作用もありますが、多くのタブーもあります。高麗人参は中国医学の八綱弁証によれば、体質が「虚寒」(きょかん)の人は用いても良いが、「実熱」(じつねつ)の人には使えません。しかし霊芝は、少しのタブーも無く、八綱弁証の上でも、陰陽、表裏、寒熱、虚実のどの体質でも使えます。故に、霊芝のみがアダプトゲンの条件を満たしているのです。
 霊芝の働きは、扶正祓邪(ふせいきょじゃ)と同時に、「正を助け邪を祓い、邪を?い正を傷つけない」と言えます。



〜西洋医学方面:

 西洋医学における生物学、化学の分析によれば、霊芝には各種の既知成分が含まれており、それぞれの効用が明らかになっています。

○有機ゲルマニウム(Germanium)
 水素を取り除き、血液の異常なPH値を調整する他、血液中の酸素の量を大幅に増加させ、体内の酸素欠乏状態を改善します。また、人体内の生理的イオンをバランス良く保ち、体内の物質と結合した重金属(鉛、水銀、カドミウムなど)を体外へ排出し、細胞を活性化させ、造血作用を改善する等の効用があります。

○高分子多糖類(Polysaccharide)
 人体の免疫力を高め、ガン細胞を抑制し、拡散を防ぎます。また、血圧の安定、血液中の脂肪及びコレステロールの減少、血糖値の正常化の効果がある他、血清中のGOTやGPTの降下、ビリルビンを減少させる効果もあり、肝臓のタンパク質合成を助け、繊維化した肝組織を改善するなどします。

○トリテルペン(Triterpenoids)
 肝臓をきれいにし、強化します。また、肝臓ガン細胞を消滅させるなどの効果があります。

○アデノシン(Adenosine)
 血液の粘度を下げ、血栓の形成を予防します。また、組織の周囲にくっつく血栓壁を壊し、薬効吸収を良くします。止痛、鎮静、精神安定、そして筋肉萎縮の回復に効果があり、インターフェロンの生成を誘発するなどの効果があります。

○小分子蛋白 Linzhi-8
 免疫力の過少、過多の両方を調節するなどの能力があります。

 他にも有効かつ無害な成分が多く存在し、研究開発が待たれています。また、実際の霊芝の働きというのは、これらの既知成分と未知のいろいろな成分が総合的に組合わさったもので、それぞれに相互作用がああります。

C霊芝王国足りうる台湾の風土

 昔は、良い霊芝を多く採取することは非常な困難でしたが、現代では科学技術により良質の霊芝菌を量産することが可能です。特に全世界の中でも、台湾の風土は霊芝栽培に最も適しています。

D霊芝は「大衆医学」の「食宝」の条件を満たす

 台湾では、霊芝は政府の認可により「保健食品」と定められ、霊芝を広く用いることができます。霊芝はまさに「大衆医学」における最上の「食宝」であり、理にかなったものです。そして霊芝の存在とは、「健康通訊」の発行者、焦金堂氏の提唱する「知を論ずるに據有り、言を出すに物有り、簡単にして行うは易く、之を行えば効有り」(知識を論ずるのには、根拠がなければならない。何か言い出すには、その元になる物がなければならない。そうして初めて簡単に行うことができ、効果がある)に、図らずも合致しています。医療の場においても、霊芝は邪を払い体の根幹を正す訳ですから、中国、西洋どちらの薬も手助けし、邪魔をしたりするものではありません。

E霊芝の現状

 現在、政府から民衆に至るまで、依然として大多数は西洋医学を主要なものと見なし、中国医学を重く見ません。つまり、中国文化、中国医学、そして霊芝を愛好する人は少なく、甚だしきに至っては「霊芝にそんな効果があるなら、どうしてノーベル医学賞とかをとれないんだ?」と言う始末です。また目下、学術機構、或いは商業団体で霊芝の研究を行う所は少なからずありますが、その大多数は相変わらず、西洋的な微視的に細分する研究方法を用い、科学的データの有る単一成分のみ研究し、実験や運用、分析をしています。もし、このような方法をばかりを突き詰め、全体を省みなければ、結局「霊芝はまだ実験室の研究段階です」という結果、往々にして至ってしまうのです。
 国際医学科学研究基金会は、かつて以下のような言葉を載さいしたことがあります。
「風が穏やかになり、雨が治まるのを待っていたら、永遠に種は蒔けないし、収穫もできない。」
 かつて鍼灸がそうであったように、西洋人が認めるのを待ってからようやく価値を認めるなどというようなことをしてはならないのです。もしかしたら、西洋人が霊芝の国際特許登録をした時になって、我々がようやく霊芝が貴重品であったと気付くことがおきるかもしれません。私たちは、より広い胸襟で霊芝、漢方を受け入れ、より慎重な態度、経世済民(世を治め、民を救う)の精神を持ち、中国医学を基礎理論とし、陳紬藝医師の「中華自然療法」の理論を用い、西洋の科学技術を加えることにより、霊芝を全世界に広めれば、より多くの人々を救うことが可能となるでしょう。そうすれば、我々はより多くの、より良い仕事の機会を作り出すことができ、更にすべての有識者が霊芝を広める計画を大いに盛り上げ、勧めたなら、これはまさに国家の幸いであり、すべての人の幸いであると言えるでしょう。

 人々の幸福の為、我々は非才を尽くし、愚見に対し卓説が返ってくるのを望み、同業同道の先達、高徳の士、及び社会の大衆がともに努力し、台湾を霊芝王国にすることを望むものです。霊芝を広めることが、我々に幸いしないことが、どうしてあるでしょうか。天の時、地の利、人の和がみな霊芝の発展に利しています。もしこれで、中華の伝統文化である霊芝がその精華を輝かすことができなければ、それはまさに天地、社会、そして良知に恥ずべき事です。

 最後に皆様と共に励みとなるよう、国父孫文の嘉言を掲げ、結びに替えたいと思います。


夫れ事は天理に順じ
人情に応ず
世界の潮流に適し
人群の需要に合す
而して先知先覚を為す者
志と決するところ之を行わば
則ち断じて成らざる者無きなり

(何事においても、天地に順じ、人の情勢に合致し、世界の潮流に適し、人群の需要に合うべきである。このことを先に自覚したものが、志として決めた事を行うなら、断じて成功しないことはない)


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−〜以上




◆注釈◆

*本文の「順治」「逆治」は、陳紬藝著「世界四大医学の療法分析」(『自然療法』117期 2001年5月発行)に依っている。

―真の医者とは、人体の「自然治癒力」に属するべき者である。病気の徴候とは、自然治癒力が病毒を駆逐する際の努力であり、健康を回復する過程と信号である。医者は自然治癒力を友として、彼(=自然治癒力)を助け、決して敵と見なして倒してはならない。自然治癒力に対抗するということは、体の抵抗力と生きようとするサイン(=症状)を奪う事であるから、結果として軽い病気を重くし、重い病を死に至らしめてしまう。
 自然療法は各種の自然の理論、方法、薬、食事などを用い、自然治癒力(=抵抗力)が病を体外に追い払うのを助けるものである。(詳しくは陳紬藝著『自然療法と中国医学』9頁を参照)

個人情報保護法について |  特定商取引に関する表記
  ■当ホームページ掲載の記事・写真・イラスト等の無断転載を禁じます。すべての著作権は仁易霊芝湘南有限会社に帰属します。