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〜薬食同源の最高級品――黒きくらげ〜

著: 陳啓驕@(南台科技大学生物テクノロジー科及び生物科学技術研究所博士)
★医食同源より見た黒きくらげ

 中国は昔より医食同源(薬食同源)の国として知られています。唐代の名医孫思バクは、その著『備急千金要方』の「食治編」で、「もし食事で病を治療することが出来るのであれば、それこそが究極の養生法である。医療を行うものは、病気の原因を察知したら、まずは食事で治療するべきであり、薬はそれでも治癒出来ない場合にはじめて使うものである。」と、明記していますし、西洋で医学の祖と呼ばれたヒポクラテスも、「食事こそが最も良い薬となる」と言う訓戒の言葉を述べています。つまり、西洋東洋のどちらにおいても、食事こそが治療の基本であるという考え方は、おおむね同じなのです。中国医薬では、用いる食材や薬のうち、身体の広範囲に良い効果をもたらすものを「上品」とランク付けしていますが、その中には霊芝、高麗人参、黄耆(おうぎ)、やまいもの他に、みなさん良くご存知の黒きくらげも含まれています。

 黒きくらげ(学名Auricularia polytricha)は、平凡な食用菌のひとつと思われていますが、実は人ぞ知る栄養豊富な食材です。タンパク質の含有量は、米、麺、野菜を上回り、ビタミンB2は米や麺、白菜の10倍、豚肉、牛肉、マトンの3〜5倍含まれています。また新鮮な子実体100gに含まれるビタミンCは200mgに達するほか、カルシウムの含有量は肉類の30〜70倍であり、鉄分は肉類の100倍にも達しています。鉄分、カルシウムなどの栄養素補給の際に、外すことの出来ない食材と言えるでしょう。

 中国医学では、黒きくらげは「味甘(脾臓をサポートする性質を持つ)」で、「性平」(体を熱したり、冷ましたりする作用が無い)という性質を持ち、五臓をサポートし(特に胃、大腸、呼吸器に効果が高い)、血液を改善し(過剰に熱を帯びた血を元に戻す、止血作用を高める、血液を活性化する、造血作用を高める)、便通を良くするなどの効果が認められています。

 西洋医学の研究によれば、黒きくらげは血液の粘度を下げることにより、血栓の発生や冠状動脈の粥状動脈硬化(コレルテロールなどにより引き起こされる動脈硬化)を防ぎ、また黒きくらげに含まれる酸性多糖は、マウス実験で肉腫の42.6%を抑制する効果をあげています。つまり、臨床、日常の健康維持、病気の予防のいずれにおいても、非常に価値があると言えるのです。

 黒きくらげは、この種の膠質を持つきのこの中では非常に優れた食品であり、また新鮮なものは煮ても一切甘みや辛みが無く、最も味の薄い食用きのこでもあります。乾燥時には十分の一程度に体積が縮みますが、水で戻せばほぼ元の状態に戻ります。またカロリーは非常に低く上にほとんど味が無いということは、どんな料理や食事とも組み合わせることができます。しかも、膠質に含まれる成分はコレステロールを下げる酸性多糖や、排便を促す繊維質が豊富に含まれています。このような良質の栄養素が、新鮮な黒きくらげという安価で入手しやすい食品には含まれているのです。

 以前、友人のひとりが、大陸(中国)で、心臓血管疾病研究チームのリーダーである洪紹光教授の講演原稿を持ってきたことがあります。洪教授は講演の中で、食事には「赤黄緑白黒」の五色の食事を摂るように勧めていましたが、その「黒」の説明の部分で、私は思わず目を見開きました。洪教授は「黒とは黒きくらげのことである。この食品は非常に優れた性質を持っており、特に血液の粘度を下げる」と述べられていたのです。私はすぐに全部を読み通しましたが、ここでは洪教授の論文の要旨を以下の八点にまとめて、みなさんに紹介したいと思います。

1.血液を活性化し、血管の硬化を防ぐ。また血液の循環を改善する。
2.外傷の引き起こす痛み、神経の麻痺、手足のひきつけ改善し、血流を良くする。
3.排便を促し、痔や血便、痔瘻及び静脈曲張を改善します。
4.寒湿性(冷え、むくみを伴う病)の腰痛、足の痛みに効果があります。
5.子宮の出血及び閉経などの婦人病に効果があります。
6.貧血、骨粗鬆症を改善します。
7.コレステロールを下げ、心臓の血管、脳血管の治療をサポートします。
8.脂肪の減少に効果があります。
 また、黒きくらげはカロリーが低く、高カロリーの食事に組み合わせるのには最適の食材です。健康の維持のためには、食事全体を見直し、適度の運動を行い、酒や煙草を控え、気持ちを安定させることが必要ですが、そこに毎日新鮮な黒きくらげを食事に加えれば、病気の予防の効果が更に高まることでしょう。

※注意事項※
黒きくらげは多量のアデノシンを含有していますが(1g当たり154mg)、アデノシンは血小板が凝集するのを防いでしまうので、大量の出血があった時や、手術の前後や抜歯の前後、女性の月経の期間中には、量を減らすか、もしくは食用を一時停止してください。


★お勧めの調理法

〜きくらげの冷製
材料:新鮮な黒きくらげ(大)…3枚、青ネギ…3本、ピーマン…約100g、ごま油、豆板醤。
作り方:1.すべての材料を細切りにします。
    2.新鮮なきくらげを熱湯にくぐらせた後、すぐに氷水で冷やします。
    3.すべての材料を器に入れ、ごま油、豆板醤で味を調え、よく混ぜます。
    ※氷水で冷やすと口当たりが良くなります。
    ※豆板醤の代わりに醤油を使っても美味しいです。

〜薬膳黒きくらげ
材料:新鮮な黒きくらげ(大)…3枚、豚の赤身…100g、しょうが…3切れ、赤ナツメ…5粒
作り方:1.黒きくらげはミキサーにかけ、豚の赤身は細切りにし、赤ナツメは種を取り除きます。
    2.すべての材料を3000ccの水に入れ、煮立った後、とろ火で一時間半煮ます。

〜黒きくらげ(カプセル)
成分:100%純きくらげ
内容量:150粒
<重量>400mg±5%/粒
<お召し上がりの目安>
 一日三回、一回3〜5粒を目安に、食事の三十分前に400〜500ccのぬるま湯または水でお飲み下さい。食用後に適当な運動を行うと、更に効果的です。


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