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〜霊芝がガンを予防し、ガンを消滅させる基本メカニズム〜
著:李旭生 (台湾国立陽明大学医学院助教授) |
(1)ガン細胞はどこから来るか?
牛や豚を屠殺して解体したばかりの新鮮な牛肉や豚肉が、時間と共にだんだん腐ってゆくのは、生命を失った肉の細胞が酸化し、細菌の侵入を許すことによって、腐敗が引き起こされるからです。しかし生きている肉は、生物の持つ抗酸化システムと免疫システムという二つの防波堤によって、酸化と細菌の侵入を防いでいるので、腐敗することはありません。
もし第一の防波堤である抗酸化システムが破壊されてしまったら、地球のオゾン層が破壊されるのと同じように、人体の細胞内にあるDNAはさまざまな活性酸素によってダメージを受け、ひどい時はガン化します。このとき第二の防波堤である免疫システムが正常であれば、ガン化した細胞は免疫システムによって殲滅され、ガンは発症しません。しかしこの第二の防波堤も破壊されている場合には、ガン化した細胞は生き延び、いわばガンの種子となってしまいます。
正常な人体には約一千万のガン細胞がばらばらに散らばっていますが、しかし人体に危害を加えることはありません。なぜなら、人体の免疫システムにはバラバラのガン細胞を正常化させる働きがあります。免疫システムが正常ならば、約百万個(2の20乗)ものガン細胞が集結した固まり(ガン腫瘍)をも、一気に殲滅することができます。一個のガン細胞が百万個のガン細胞の集まりに成長するには、七〜十四年をかけて、二十回の分裂を行わなければなりません。逆に言えば、二十回の分裂によって出現するガン腫瘍の大きさが、正常な免疫システムが一気に殲滅できる最大の大きさということになります。
(2)ガンが発症するかしないかの分水嶺は?
この百万個のガン細胞が寄り集まってできたガン腫瘍が生きるか死ぬかということこそが、ガンが発症するかどうかの分水嶺となります。この時点では、ガン腫瘍はわずか〇・〇〇一立方センチメートルの大きさしかありませんが、もしこれを一気に殲滅できないと、次の分裂では二百万個に達し、免疫システムが一回で殲滅できる能力を簡単に超えてしまいます。例えるなら、ガン腫瘍は丁度たまねぎのように、徐々にふくらみながら成長します。更に3〜6年をかけて十回分裂し、ガン細胞がおよそ十億個に達すると、ガン腫瘍の大きさは約1センチほどになります。この時はじめて、人は「ガンになってしまった!」と驚くことになるのです。しかし実際には、本当にガンになってしまったと驚かなくてはならないのは、実はそれよりも3〜6年前なのです。つまりは、免疫系統がガン細胞の固まりを殲滅することに失敗し、ガン細胞の固まりが百万個を越しまうと、自己の免疫力で殲滅できる範囲ではなくなってしまいます。実はこの時こそが、ガンが発病した時と言えるのです。しかし実際には、人がそのガンの発症を知るまで、それから3〜6年もかかるのです。
さて、次に述べるのは小学生の簡単な算数です。置いたものを何でも倍にしてしまう魔法のおぼんを使って、簡単にお金もうけをする時のことを考えてみましょう。今日一円をおぼんの上に置いておくと、二日目には二円になっています。三日目は四円、四日目は八円になります。このように増えてゆくと、十五日目には三万二千円、二十日目には百万円となり、二十一日目は二百万円、二十九日目は五億円、三十日目は十億円となり、あっという間に大金持ちになれます。よく「お金儲けができるかできないかの最初の鍵は、まず百万円を確保できるかどうかだ」と言われますが、まさにガン細胞にとっても、最初に百万に達することが重要なのです。百万になるには二十一回の分裂が必要ですが、ひとたび百万に達すれば、次にもう百万増やして二百万に達するのには、たった一回の分裂さえ起きればいいのです。
(3)「ガン発症」までに、ガン細胞は何年で何回分裂するか?
現代医学の一般的な認識では、一個のガン細胞が十億個に分裂し腫瘍となるには、十年〜二十年かけて約三十回の分裂が必要と言われています。一年あたり何回の分裂となるかを計算すると、おおよそ下図のようになります。
ガンの発見が「最初の」分裂から十年目の場合で考えますと、はじめてガン細胞が百万個に達したのは、一般的には七年目(分裂の回数は二十回目)、つまり「ガン発症」の三年前に相当します。しかし誰もが十年かかる訳ではなく、人によって分裂の速度が異なりますので、例えばガンの発見が二十年に相当する場合ですと、ガンの分水嶺はおおよそ十四年目となり、「ガン発症」の六年前となります。
もし体内のガン細胞の分裂を知ることが出来れば、ガン細胞の分裂が二十回になる前に、霊芝(ただし菌糸体などの一部だけではなく、一株まるごと)を服用して免疫力や抗酸化システムの力を高め、百万個まで増えるのを防ぐことができ、ガンを減らしたり、ガンに罹らないようにすることができます。しかし、ガン細胞が既に何回分裂してしまったかということは、知ることができません。もし分裂が二十回を越えてしまうと、例え霊芝で免疫力を高めたとしても、既にガン細胞は免疫システムによって制止できるだけの数を超えており、そのまま増え続けてしまえば、三〜六年の内にガンが発症してしまうこともあります。つまり、「霊芝を食用していても、必ずしも全員がガンにならない訳ではない」と言われているのは、まさにこのような事態の時です。重要なのは、霊芝を飲みはじめる時期です。もしガン細胞が二十回分裂する前であれば、霊芝を服用することによってガンに罹らずに済むでしょう。ここから言える結論は実に簡単です。つまり、霊芝はガンを予防し、再発を防ぐということです。
年数 |
個数 |
階乗 |
1年目 |
8個 |
2の3乗 |
2年目 |
64個 |
2の6乗 |
3年目 |
512個 |
2の9乗 |
4年目 |
4,096個 |
2の12乗 |
5年目 |
32,768個 |
2の15乗 |
6年目 |
262,144個 |
2の18乗 |
7年目 |
1,048,576個 |
2の20乗 |
※約百万個。ガンへの分水嶺 |
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2,097,152個 |
2の21乗 |
8年目 |
16,777,216個 |
2の24乗 |
9年目 |
134,217,728個 |
2の27乗 |
10年目 |
536,870,912個 |
2の29乗(約5億) |
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1,073,741,824個 |
2の30乗(約10億) |
(3)霊芝のガンを予防し、再発を防ぐ効果は「3・6・9」で見えてくる
今から霊芝の服用を開始して、もし3年以内にガンが発症しなければ、その後はガンになる可能性は半分に減ったと言えるでしょう。しかし二十年かけて、ゆっくりと分裂している可能性もあります。しかしその場合でも、6年以内にガンが発症しなければ、まずガンにはならないと考えることができます。更にゆっくりとしたテンポで分裂し、「発見」されるまでに三十年かかるとすれば、二十一年目かけてガン細胞は百万個に達しますので、発見は9年後となります。この場合は、飲み始めてから9年の間にガンが発症しないと確認できてはじめて、今後ガンに罹ることはない、と言うことができます。
以上が霊芝がガンを予防し、ガンの再発を防ぐシステムの簡単な説明です。霊芝の持つ最も重要で、最も良好な効果とは、まさにこの点にあるのです。昔から「上医は未病を治す」と言われています。未病とはまだ発症していない病という意味であり、いわゆる「予防に勝る治療無し」と同じ意味の言葉ですが、ガンの治療に最も適した方法は、まさにガンに罹らないように予防することに他ならないのです。歴代の中国の医薬書では、霊芝は常に「上薬」にランク付けされてきました。霊芝は確実に「未病」を治す「上薬」なのです。同様に、霊芝をガンの発症後に食用を開始した場合と、ガンの発症の六〜七年前に食用を開始した場合とでは、恐らく全く異なる結果となるでしょう。
(4)ガン予防、再発防止理論と5年生存率との関係
5年生存率とは、ガンの治療後に治癒が成功したかどうかを評価するための指数です。なぜ、この5年生存率は「5年」であって、3年や8年ではないのでしょうか?
一般的に、手術、放射線治療、化学的な薬物の投与による治療の後は、ガン細胞の数はゼロに戻っています。しかし、それは本当に「ゼロに戻った」のでしょうか?それは誰も確かめることが出来ず、医者もただ後で再発するかしないかを見ているしかありません。もし本当に「ゼロに戻った」のであれば、5年であろうが何年であろうが、二度と再発はしないはずです。「ゼロに戻って」おらず、しかもその残っているガン細胞が百万個(2の二十乗)以上であれば、以前に挙げた数字の増加から見て、十回の分裂(3〜6年)を経て再び十億個(二の三十乗)に達し、1センチほどの大きさのガンが「再発」します。しかも、この「ゼロに戻ら」なかったガンは前のガン細胞より強力で、分裂する速度も速くなっています。したがって、元は3、6、9年掛かっていたところが、2年、5年、8年か、ひどい場合は1年、4年、7年で十億個に達し、「再発」してしまいます。不幸なことに、台湾での5年生存率はたったの二十五パーセントに過ぎません。これは七十五パーセントの人は「ゼロに戻る」ことが出来なかったことを意味します。また、正確な統計数ではないものの、十年生存率も報告されており、こちらは十パーセントに満たないと言われています。つまり5年を生き延びたガン患者も、その半数は次の五年を生き延びることができなかった訳です。つまり体内のガン細胞が非常に少なくなったとはいえ、本当に「ゼロに戻った」訳ではなく、五〜十年の間に再発してしまうのです。
ところが、既に手術、放射線治療、化学治療を行った患者に対し、この霊芝3・6・9の理論は、再発防止に大きく寄与します。体内のガン細胞を大きく減少させた時、すぐに全株霊芝の服用を開始することが必要なのです。すぐに霊芝の服用を開始、もし3年経過してもガンの再発がなければ、再発の可能性は半分に減少したと言うことができます。6年経過しても再発がなければ、その後の再発の可能性は非常に少ないと言うことができます。そして9年経過しても再発がなければ、ガンの再発はもう恐れなくても良いと言うことができるのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−〜以上
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李旭生・曽禰逑著『神医・腫瘤対決録』(世茂出版社 二〇〇三年)
序文16頁、本文1〜7頁を翻訳。
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