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〜高血圧は薬のコントロールで安心してはいけない〜

著:何永慶 (プロフィール)

(1)本文
(2)質疑応答
〜はじめに

 2006年4月、浙江中医薬大学副校長で中華中医薬学会方剤学会主任委員も務める連建偉教授は、自らの体験についてのインタビューに対し、次のように答えています。

 霊芝は「本経の上品」と言われています。これは中国最古の医薬書と言われる神農本草経に上品の薬と記されているという意味です。更にこの書は、「霊芝を食すると寿命が延び、身が軽くなる。」と言っています。私は七、八年前に何永慶氏と知り合い、その時氏が執筆した霊芝の文章を見せてもらったのですが、その文に私は非常な感銘を受け、何氏の従事する霊芝と自然医学の研究は非常に有意義であり、その発展が人類の健康を導くと考えております。
 近年、何氏は私が高血圧であると知り、少量の霊芝を食用し、高血圧改善の一助とするよう勧めました。また同時に黒きくらげも食べるよう言われました。中国医学の理論によれば、黒きくらげは、養陰(体内の生命力を助ける)、清熱(熱を冷ます)、潤燥(水分不足を補う)、活血(血を元気にする)の性質があり、霊芝には益気(気を助ける)、軽身(体の循環を良くし、身軽に動けるようにする)の作用があると言われています。現代医学(西洋医学)の薬理によれば、黒きくらげには血液中の脂質を下げ、血液の循環を良くする作用が確かに認められており、また霊芝にも血圧、血液中の脂質を下げる作用が認められています。私は何氏の私に対する気配りを知り、気楽にこの二種類の食品を食べました。食べだしたところ、まず気分がとても良い感じになりました。仕事で疲れた時にちょっと食べると、体力が回復するように感じられました。またたまに目眩などの症状もあったのですが、これも改善が見られました。私は少しずつ高血圧の薬を減らしており、霊芝と黒きくらげを食べ続けています。
 私が思うに、この霊芝と黒きくらげという配合は最も良い組合せであると思います。黒きくらげが養陰清熱、霊芝が益気補血(血液を増やす)の作用を持つからです。この両者を一緒に食べることは、病因(病の原因)と病機(病気の発生およびその変化のメカニズム)を双方が共に考慮されており、中国医学の伝統理論に合致したものと言えるでしょう。



1:西洋医薬の「コントロール」

 西洋医学によれば、最低血圧(拡張期血圧)が90以上、最高血圧(収縮期血圧)が140以上の場合、高血圧と診断されます。統計に依れば、台湾では成人男性の約30%、成人女性の約20%が高血圧と診断されており、人数にして200万〜300万の間に達します。中国大陸では一億人を越えています。英国のデイリー・メール紙が五月十日に報道したところに依ると、高血圧は心臓病あるいは中風による死亡率を二倍に増加させますが、英国では実に成人の三分の一が高血圧となり、毎年六万人ほどがこれが原因で亡くなっています。アメリカでも高血圧により健康に影響を受けている人数が成人の約1/3、7200万人に達しています。世界全体では高血圧に悩んでいる人は十億人近くに達しており、専門家の予測によれば、2025年には世界全体の高血圧患者の数は15億6千万人に達すると言われています。

 西洋医学では、高血圧を大きく二つに分類しています。
(1)本態性高血圧症:病因はまだはっきりと明らかにはされていませんが、遺伝や環境に原因があると考えられています。
(2)二次性高血圧症:薬物や妊娠、内分泌の失調、腎臓疾病などが要因の高血圧症を指します。
 西洋医学ではどちらの種類の高血圧であるかに関わらず、薬物によって血圧のコントロールが必要であるとの認識を持っています。血圧を低く抑えることにより、心臓及び脳の血管の疾病(中風、心筋梗塞など)を防ぐ有効な手段となります。しかし残念なことに、降圧剤を服用した患者のほとんどは、その後一生薬を飲み続けることとなります。しかも量は増えることはあっても減ることはなく、また薬の種類も増えてしまいます。つまり高血圧をコントロールすると、そのコントロールにより産出される薬原病(副作用)の被害を受けることになってしまいます。

 つまり高血圧の治療に際して、ただただ西洋薬に頼り、血圧をコントロールするのは、決して良い方法とは言えません。生活リズム(適度な運動と飲食)を整え、精神的な原因(ストレスなど)を取り除き、病気の原因と、病気の変化の過程であらわれた症状を無くしてはじめて、根本から病気を治したと言うことが可能であり、長く健康でいることができると思われます。



2:中国医学の「求因治本(原因を求めて根本から治す)」
 
中国医学では、「肝陽上亢(かんようじょうこう)」「肝腎陰虚(かんじんいんきょ)」が高血圧の鍵となると考えています。肝陽上亢とは、腎水が不足したために肝の滋養が不足する、もしくは肝の陰気が不足し、肝の陽気が過大となることを言います。肝腎陰虚は、肝、腎が共に損なわれる、つまり互いに補いあう関係にある肝の陰気と腎の陰気が両方いっぺんに不足することを言います。

 病因は主に三つ考えられます。
(1)感情の失調(各種のストレス)
(2)飲食の不摂生、偏食。栄養バランスが崩れている。
(3)腎気の不足(男女ともに、年齢が高くなるにつれ腎の   精気は自然と不足します)

 普通、高血圧による病変は肝、腎、心、脳に現れてますが、特に多いのは肝と腎です。高血圧の性質は、多くの場合「本虚標実(ほんきょひょうじつ)」です(実際には体内のエネルギーが不足する症状であるのに、エネルギー過剰のように見える症状のこと)。具体的に言えば、患者は「肝腎陰虚」(肝と腎のエネルギーが共に不足する)であるのに、まるで「実」(肝と腎のエネルギーが過剰である)のような症状を呈します。このため、この症状の治療はしばしば非常に複雑になります。

 中国医学では、伝統的な弁証論治の手法を用いて、高血圧を根本的に治療する方法を採ります。治療の重点は身体全体を視野に入れ、臓腑の機能を調整することに置きます。こうして高血圧の内在的な原因を根本から取り除き、身体全体の陰陽のバランスを正常にし、血圧が自然に正常な数値に戻るようにします。この治療法では、副作用が少ないかもしくは全く無く、また薬の服用を停止しても、血圧が再び上昇するようなことは全くありません。なぜなら中国医学の病理、薬理は、西洋医学とは根本的に、本質的な部分から異なるからです。

 しかし、多くの患者が中国医学に救いを求めても、なぜその多くの人は理想的な結果を得られないのでしょうか?
 以下に私個人としての意見を述べます。

(1)患者自身の悪い生活習慣、飲食が根本的に改善されない、あるいは仕事、生活、金銭的なストレスが改善されない、もしくは現在の社会では、バランスの取れた落ち着いた生活を送ることが難しく、結果的に血圧を西洋薬でコントロールせざるを得ない状況にあります。例え中医師の診療を受け、霊芝や黒きくらげなどを食用して病因の一方を取り除いても、また一方では病因を造ってしまっています。

(2)多くの患者は非常に長い期間(10〜20年以上)にわたって西洋薬で血圧をコントロールしているので、身体が西洋薬の性質に慣れてしまっています。言い換えれば、西洋薬を長期に服用すると、薬の力が中枢神経を支配し、患者の精神面あるいは身体面の習慣あるいは依存を引き起こします。つまりこのように、病気そのものの治療の前に、依存を治療しなければならないのですが、この依存の治療は不可能に近いとも言うべき難題です。

(3)中医の診断である辨証が非常に難しいので、処方や用いる薬が正しいかどうかは実際に治療してみないと分からない場合があります。

(4)患者が医者や医療関係者を信用していたりいなかったと、態度が定まっていないことがあります。



3:自然医学の「釜の底から薪を抜く」

 自然医学は、高血圧の原因は非常に多岐にわたると認識していますが、しかしそれらの原因はすべて「血の汚れ」に由来すると考えています。
 この観点は、中医の「気滞血オ(気が滞り、血が汚れる)」の説と本質的に同じであり、表現が違うだけとも言えるでしょう。(注:血オのオは、やまいだれに「於」という字)

〜汚れた血液が発生する諸原因

細菌
ウィルス
免疫複合物
過酸化脂質(LPO)
低密度リポ蛋白コレステロール(LDL)
マロンジアルデヒド(MDA)
尿酸の過多
コレステロールの過多
トリグリセリドの過多
血液中のグルコースの過多
(高すぎる血糖値)
鉄分の過多
血栓
長期間の脂肪の蓄積


動脈硬化
心筋炎
脳炎
敗血症
冠状動脈性心臓病
高血圧
脳溢血
静脈の血栓
脳の血栓(中風)
(糖尿病)
(腎臓病)

 現代の薬理学の研究によると、霊芝には抗酸化、免疫の調節、精神のリラックスの三つの大きな作用があることが分かっています。黒きくらげは血糖値、コレステロール値を下げる、炎症を抑える、血栓を予防するなどの作用があります。これらの作用は人間の体全体の約60兆個の細胞、組織や合計すると30万キロにも及ぶ大小及び毛細血管などのすべてに渉って、直接的に修復、保護を行い、血液をきれいにして流れを改善、また酸素の含有量を高めます。言い換えれば、気が滞り、血液の汚れを防ぎ、また血液を固まらせないことによって大小の血管の流れを改善し、栄養や老廃物の輸送を順調にさせ、それによって細胞を元気にし、組織や器官の働きを正常にします。こうすれば心臓に余計な圧力もかからず、血圧は自然と正常値に戻ります。このように個々の方面から身体全体を改善し、改善した状態を維持すれば、高血圧を正常にするだけでなく、低血圧の患者の血圧を高めて正常値にすることも可能でしょう。病因が無くなれば、高血圧にしても他の慢性病にしても、病気が続くことは無いからです(※注4)。

 上海医科大学が霊芝を食用実験を行いました(霊芝片一一〇ミリグラムを服用、1日4回、2週間。男性十五人、女性十八人の計三十三人。年齢は六十五±八歳)。この実験の参加者は高血圧、高血脂症及び脳血栓の後遺症の患者であり、実験の後、血液の流動について観察した結果、次のような結果が証明されました。

(1)霊芝は血液の流動性を改善し、血液全体と血漿の粘度を降下させる効果が認められました。また心臓及び脳の血管に疾病のある患者に対しては、血栓を減少させる効果が認められました。
(2)患者の多数において、霊芝の食用後、血圧の降下、言動の落ち着き、睡眠の改善、頭痛及び目眩などの症状の改善が見られました。一方赤血球の容積と、HCT(絨毛性甲状腺刺激ホルモン)及び血球(赤血球及び白血球)の沈降の比率に変化はありませんので、害は無いと言うことができます。

 また、この実験により、自覚症状の改善率は全体で六十一・〇四%、血液の粘度の改善率は全体で七十六・七七%であることが証明されました(wilcoxon seined ranks test P<0.01)(※注5)。四川省抗菌研究所も、高血脂症の治療の際、霊芝粉末を1回十グラム、1日2回を、1〜3ヶ月間連続して食用するという実験を、百二十例の患者に対し実施しました。このうち百三例でLDL(いわゆる悪玉コレステロール)の数値が正常に戻り、全体の有効率は八十六%に達しました(wilcoxon seined ranks test P<0.01)。また、食用する期間が長ければ長いほど効果が高く、また効果の持続期間も長いことが明らかとなりました(※注6)。

 通常、高血圧の患者は高脂血症、高コレステロール、高血糖のなどの症状も併発しており、それらがお互いの症状を更に悪化させるという悪しき循環が引き起こされているのですが、以上二件の臨床研究の統計から考えますと、霊芝には確実に血圧を下げる一定の効果があることが証明されたと考えられます。

 霊芝と黒きくらげは共に平性(熱でも寒でもない)の食物です。これは何を意味するかと言うと、中医の弁証論治の観点及び個人的な経験から鑑みた場合、体質が虚実、寒熱であるかを考慮する必要が無く、また食物それぞれが持つ四気五味といった特性と、体質の合う合わないを考慮する必要無く食べることができるという意味です。西洋医学の方面から言えば、本態性高血圧症か二次性高血圧症かの区別をする必要が無く、また目下どのような薬を治療で用いているかも考慮せずに済みます。これは連教授が言ったように「血を元気にし、汚れを取り除くには、霊芝と黒きくらげが最高の組合せである」ということなのです。なおかつ、霊芝と黒きくらげは、他に服用している西洋薬や中医薬(日本では漢方薬)の治療効果に全く影響を与えることは無く、中医薬については逆にその効果を高めます。また、西洋薬に対してはその副作用を軽減し、治療効果を高めます。

 霊芝と黒きくらげの食べ方ですが、八倍濃縮の霊芝(四百ミリグラム/粒)とナノテクノロジーにより粉末化した黒きくらげ(五百ミリグラム/粒)の場合ですと、以下のような食べ方の例が挙げられます。

(1)朝昼晩の食事の三十分前、水あるいはお好みの温度の水三百〜四百CCをで霊芝2粒、黒きくらげ3粒を食用します。改善が見られるかの目安はだいたい四ヶ月です。ただし食べた量や体質、環境や時期によってこの期間の長さは変わります。

(2)食べはじめた時に、すぐに現在服用中の西洋薬を止めないようにしてください。特に十〜二十年といった長期にわたって西洋薬を服用している場合は、特にすぐに西洋薬を停止してはいけません。長期にわたって西洋薬を服用している患者の場合、霊芝と黒きくらげは往々にして薬原病を減少させるか、あるいは西洋薬の量を減らす手助けすることしかできないからです。しかし薬原病の減少によって病状を安定ないしは改善させることは可能です。

(3)高血圧と診断されたばかりの患者、もしくは降圧剤を服用して1〜2年程度の患者の場合は、霊芝と黒きくらげを食用して最初の四ヶ月は、西洋薬も服用してください(霊芝と黒きくらげは食前、西洋薬は食後)。四ヶ月後にどの程度改善されたのかを見てから、西洋薬の方を徐々に減らすか、服用を停止してください。このようにした方が(急に西洋薬を止めるよりも)安全です。もし中医薬を服用している場合は、霊芝、黒きくらげと同時に服用して構いません。中医薬と霊芝、黒きくらげがお互いに作用し、良い相乗効果を生み出すでしょう。

(4)注意:霊芝と黒きくらげには共に血を元気にし、流れを良くする効果があります(つまり、西洋薬の抗凝固剤に似た作用を持っています)。そのため手術の二日前後、あるいは抜歯などの外傷によって大量に出血した場合、女性の場合は生理の期間は、食用を控えるべきです。



四:おわりに

 自然医学の精髄は、「之を言うに物有り、之を論ずるに拠有り、簡単にして行い易く、之を行うに効有り。」のひとことでまとめられます。つまり、自然医学は、その論や発言に必ず根拠を持ち、採用する方法は、まず簡明かつ誰でも実行しやすい方法でなくてはならず、そして何よりも効果がある道を取らなければならない、という精神でなくてはならない、という意味です。
 以上、連教授の体験をひとつの好例として挙げましたが、私たちは連教授がご自分の体験を他の皆様の為に公開されたことに、深く感謝いたします。そして世の中の高血圧で苦しむ皆さんが、霊芝と黒きくらげを良く用い、凶を吉へと変え、そして観念が通じる、二便が通じる、気血が通じるという「三通」の状態に達し、大きな病を小さな病に変えれば、小さな病を消し去ることができるでしょう。


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