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〜心臓及び脳血管の疾病予防に対する霊芝と黒きくらげの効果〜

著:何永慶


第一章 病気とは何か?

第二章 霊芝について

第三章 黒きくらげについて

(7)心臓及び脳の血管の疾病に対し、霊芝はどのような効能があるか?

 台湾の2001年の統計では、脳卒中などの脳血管の疾病で年間13141人が、心臓病では11003人が亡くなっています。これは高血圧の1766人と合わせると、合計で25910人に達し、年間の死亡原因の約20.5%を占め、ガンの32993人(26%)に僅差で続いています。ガンと心臓及び脳血管の疾病をくじに例えてみると、2本の内1本に、知らない間に当選していることになってしまいます。

 秀伝記念医院の副委員長である陳栄洲博士と曽彌述医学博士は、「心臓及び脳の血管に関する疾病」が、西洋医学の区分ではあまりにも多いものの、それらの病気の源をたどれば、実は原因は血液の汚れただひとつであり、糖尿病、腎臓病、痛風などと全く同じ原因である、と認めています。

(※上図は、陳栄洲・曽彌述著『神医・百病争戦録』61頁より引用)


(8)霊芝を認識する

 陳紬藝中医師の著書『自然療法と中国医学』と、その関連季刊誌『自然療法』で、陳医師は「医道の革命」と「人々の医学」を提唱してられますが、私はそれに強く賛同します。陳医師の人々の苦しみを憐れむ慈悲や、自然への畏敬の念、自然の智慧に根ざした智慧には敬服するばかりです。また元台北栄民総医院の潘念宗博士の述べた「全世界において医学の改変が必要となった時に、霊芝が重要な役割のひとつを果たすであろうと確信している」と述べています。私はこの意見にも同意しています。その理由は以下の四つです。

[1]霊芝は広範囲に対し効果を持つ
 霊芝は古代より「上薬の冠」として尊ばれ、千年以上に渉って人体が実際に食用した経験から、長期間多食しても身体に全く害が無いだけでなく、人体の自然療能(自然治癒力)を最高の状態に維持します。また少量なら未病(まだ発病していないが、あと切っ掛けさえあれば発病する状態)を防ぎ、適量なら已病(既に発病した状態)を改善し、大量の場合は末病(末期症状、重病)を救うことができます。つまり霊芝がフォローできる養生、保健の範囲は非常に広く、また効果も卓越しており、しかもそのいずれの効果においても確認され、広く認められています。もしここに中国医学の弁証論治の理論を配合すれば、心臓及び脳の血管の疾病だけでなく、そのほかの生活習慣病の改善もしくは治癒に必ずや役立つことでしょう。

[2]霊芝は毒性、副作用が無い
 現代科学による服用検査による毒性検査において、急性慢性いずれの毒性も検出されませんでしたが、このことは中国医学で古来より霊芝が無毒であると述べていることに完全に一致します。霊芝とそのほかの中薬、もしくは西洋薬を併用すれば、その薬物の良い効果を高め、副作用を減少させることも可能です。

[3]中国医学のみならず、科学的な学術検証の中にも、霊芝の有効性を証明する基礎理論が備わっている。


A:中国医学からの見地

 中国医学では、まず八綱弁証の理論で診断を行った後、最終的には「固本培元」(注7)「扶正祓邪」(体の基礎を治し、元気を培い、身体の良い作用を助けて悪いものを排出する)を基本原則として治療を行います。ところが霊芝は毒性が全く無いので、八綱弁証による診断を省略することができます。つまり他の中薬が、個々の体質によって使えたり使えなかったりするのに対し、霊芝はただ飲もうという気持ちを持つだけで、ほとんどの人が安心して食用することが出来るのです(ただし、大量に出血した直後の人は服用してはいけません。例えば手術の後は、2〜3日服用は控えてください)。霊芝は「固本培元」と同時に、扶正祓邪も可能とします。しかも正を補助しながら火(身体の熱気を高める体内の生理的現象)を強めず、邪(体にとって悪いもの)を祓いながら正(自己免疫力など、身体が本来持っている良い作用)を傷つけることがありません。

 元京都大学文部技官である直井幸夫氏は、霊芝は押すだけでピントのあるバカチョンカメラのように、薬理や病理を知らずとも、ただ飲むだけで効果がある、と述べています。
このように霊芝は個人の体質に適応して、代謝機能を最も適切な状態に調節します。これを中医の用語で言えば、陳紬藝医師の言っていた「順治」の説明に合致します。

 二十数年前に、旧ソ連、オーストリア、イギリスなどを主立ったメンバーとする世界医学界が開催され、西洋医学の薬の副作用があまりに多い上に強いことを鑑み、反省の意味を込め、新しい治療概念を創出しました。それがアダプトゲン(Adaptogen)です。アダプトゲンは三つの条件から成ります。

(1)無毒、無副作用(Nontoxic)
(2)広範囲に対する効果、すなわち特定の器官、臓器に作用が限定されない(Nonspecific)
(3)身体の各機能を正常化する作用を持つ(Normalization)。
   全身を調整し、活性化させる、体内のバランス(Homeostasis)及び自己免疫力(Self-curative power or Self-healing ability)を正常化させる。

 広い大自然を探しても、この条件に適合するのは、目下高麗人参と霊芝しかないと、「霊芝と健康」の著者李旭生教授は述べています。しかし高麗人参は気力や体力を大いに補うという非常に良い作用もありますが、禁忌も多くあります。中医の八綱弁証では、体質が虚寒(元気が無い。内臓に熱がない。冷え性)の人は使っても良いですが、実熱(気力体力が旺盛で、内臓に熱がある。暑がり)の人は使ってはいけません。しかし霊芝はほとんど禁忌はなく、八綱弁証でも、陰陽、表裏、寒熱、虚実のいずれの体質の人も用いることができます。つまり霊芝のみが、完全にアダプトゲンの条件に一致するのです。

[順治]霊芝→病人の自然治癒力に作用する→病に作用する→



B:西洋医学からの見地

 生物科学による分析によれば、霊芝には各種の有益な成分が含まれています。

●有機ゲルマニウム(Germanium)
 脱水素作用を持ちます。通常、有害な水素イオン(人体を酸性化する)は通常酸素イオンと結合して体外に排出されますが、ゲルマニウムは酸素イオンの代わりに水素イオンと結合して排出させ、血液の酸性度を適切に調整し、血液中の酸素量を増大させることができます。また人体の電位変動を調節し、肝細胞を活性化することにより人体の持つ解毒作用を高めると同時に、造血作用を改善します。

●高分子多糖体
 人体の免疫力を高め、ガン細胞の拡散を押さえます。また血圧、血糖値を安定させ、血液中の脂質を減らします。(注8)

●トリペルテン(Triterpenoid)
 肝臓を浄化、強化し、ヒスタミンの分泌を調節し、アレルギーを改善します。また肝臓のガン細胞が自死するようにし向けるほか、神経細胞などを活性化します。

●アデノシン
 血液の粘度を下げます。また血管の周囲に張り付き、血栓の原因となる血小板を溶かすことにより、血栓を防ぐと同時に、治療薬などの有効成分が吸収されやすいようにし、痛み止め、鎮静作用を高めます。このほか筋肉の萎縮の回復、インターフェロンの生成を助けます。

●小分子蛋白 Lingzhi-8
 免疫力の過剰、過少を調節します。

●エルゴステロール(Ergosterol)
 エルゴステロールは植物性コレステロールで、人体のステロイドホルモンの前駆体となります。生殖腺を刺激し、性ホルモン(男性ホルモン、女性ホルモン)を増加させます。エルゴステロールは霊芝の子実体、特に細胞壁を破砕した胞子の中に多く含まれています。このエルゴステロールはビタミンDの前駆体でもあり、肝臓、腎臓で活性ビタミンD3(ジヒドロキシビタミンD3)に変化しますが、この活性ビタミンD3は人体がカルシウムを吸収するために必要な物質です。大陸では早くから子供の骨粗鬆症に霊芝が用いられてきましたが、その科学的根拠はこの活性ビタミンD3にあります。このほか、活性ビタミンD3はガン細胞を正常化させたり、ガン細胞の発生を防止する効果があります。

●キチン、キトサン
 遊離基を除去することにより、酸化を防ぎます。また免疫力を上げ、マクロファージを活性化します。ガン治療では、特に膀胱ガンに一定の効果が認められています。また、放射線治療や化学治療などの抗ガン治療の副作用を軽減する効果があり、免疫細胞の数を一定に保ち、コレステロールを減少させます。このほかに、傷口や負傷した傷口の回復を促進し、糖尿病の進行や関節炎などの痛みを減らし、関節の軟骨の密度を高めます。

[4]霊芝は天与の良薬
 現代人の不幸は、生活環境こそが病気を発生させる環境であることにあります。そのような中で、霊芝という自然からのプレゼントは大きな恵みとなると思います。霊芝は現在わかっているだけでも、400種類あまりの有益な効能を持った成分を含有しています。 しかし細かい物質ひとつひとつではなく、全体として言えば、霊芝はその含まれる成分すべてが調和し、互いに補いあったり変化したりして、人類に養生と病気の予防に役に立つ薬となってくれているのです。
 さて、その霊芝に含まれる成分全体が調和した結果の効能としては、大きく分けて下の三つに分類できます。
A:抗酸化  
B:免疫の調節 
C:鎮静、痛み止め、ストレス解消

細かく分けると、以下の十三になります。
1・中枢神経に対する作用
2・心系、血管に対する作用
3・血小板の凝固及び血栓を抑える作用
4・呼吸器系に対する作用
5・代謝及び内分泌の能力に対する影響。
6・肝臓を保護する作用。
7・実験による筋肉の硬化に対する作用
8・抗酸化作用(=アンチエイジング)
9・抗炎症作用
10・腫瘍に対する抵抗作用
11・抗放射線作用
12・免疫を調節する作用。
13・そのほか(抗アセチルコリン作用など)

 明代の医学家である李時珍は「本草綱目」で「霊芝は、味苦(苦味で、心気に利する食物)で無毒であり、胸の詰まりや不快感を取り除き、心気(心経及びそれに関わる臓器などに必要な活力)や肺気、肝気を高め、関節をよく動くようにし、筋肉や骨を丈夫にし、頭を良くし、物忘れを防ぎ、長期に渉って常食すれば、年老いずに長生きし、神仙の如くなる」と記しました

 数千年に渉って人類が霊芝をよく用いてきた経験はもちろんのこと、現代の西洋医学、化学が微細にわたる実験、検査、臨床が示すさまざまな結果というものは、李時珍の記述にあるような先祖伝来の知識が、私たちを騙すような内容では決してなかったことを証明しているのです。



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