仁易霊芝湘南有限会社
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〜心臓及び脳血管の疾病予防に対する霊芝と黒きくらげの効果〜

著:何永慶


第一章 病気とは何か?

第二章 霊芝について

第三章 黒きくらげについて
[9]黒きくらげ(Auricularia polytricha)を知る

 中国医学における上品(トップクラス)の薬には、霊芝や高麗人参、黄耆、やまいもなどがありますが、黒きくらげはその中でも特に人々への知名度が高く、また優れた効能が多く含まれています。

 黒きくらげは一般的な食材のひとつではあり、誰もが知っているきのこですが、しかし蛋白質は米や麺、野菜よりも多く、またビタミンB2は米や麺、白菜の十倍、豚肉や牛肉、マトンの約3〜5倍も含んでいることは、案外知られていません。また100gの新鮮な黒きくらげ子実体の中には、ビタミンCが約200ミリグラム含まれており、またカルシウムの含有量は肉類の30〜70倍、鉄分は肉類の100倍と非常に多く、女性の鉄分及びカルシウム補給に最適です。

 中国医学では、黒きくらげは「味甘(脾臓をサポートする性質を持つ)」で、「性平」(体を熱したり、冷ましたりする作用が無い)という性質を持ち、五臓をサポートし(特に胃、大腸、呼吸器に効果が高い)、血液を改善し(過剰に熱を帯びた血を元に戻す、止血作用を高める、血液を活性化する、造血作用を高める)、便通を良くするなどの効果が認められています。

 西洋医学の研究によれば、黒きくらげは血液の粘度を下げることにより、血栓の発生や冠状動脈の粥状動脈硬化(コレルテロールなどにより引き起こされる動脈硬化)を防ぎ、また黒きくらげに含まれる酸性多糖は、マウス実験で肉腫(S-180細胞)の42.6%を抑制する効果をあげています。つまり、臨床、日常の健康維持、病気の予防のいずれにおいても、非常に価値があると言えるのです。

 黒きくらげは、この種の膠質を持つきのこの中では非常に優れた食品であり、また新鮮なものは煮ても一切甘みや辛みが無く、最も味の薄い食用きのこでもあります。乾燥時には十分の一程度に体積が縮みますが、水で戻せばほぼ元の状態に戻ります。またカロリーは非常に低く、その上にほとんど味が無いということは、どんな料理や食事とも組み合わせることができます。しかも、膠質に含まれる成分はコレステロールを下げる酸性多糖や、排便を促す繊維質が豊富に含まれています。これだけ良いものが簡単に手に入るというのに、消費者は何故黒きくらげがとても安価であるというだけで、重視しないでいるのでしょうか?

 大陸(中国)で政府主導の心臓血管疾病研究チームのリーダーを務めているである洪紹光教授が、中南海で政府幹部に対し公演をしましたが、そこで洪教授はで、食事には「赤黄緑白黒」の五色の食事を摂るよう強調していました。そしてその黒きくらげがその「黒」のメインの食材であり、血液の粘度を下げ、健康に有益かつ無害であると述べています。

 また、南台科技大学の陳啓髞試mも黒きくらげをテーマとして論文を書いていますが、その中で陳博士は、長年の研究成果をと国内外の黒きくらげに関する文献をまとめ、黒きくらげの効用を以下の八点にまとめました。その要点をここでみなさんに紹介したいと思います。

1.血液を活性化し、循環を改善する。血管の硬化を防ぐ。
2.外傷の引き起こす痛み、神経の麻痺、手足のひきつけを改善し、血流を良くする。
3.排便を促し、痔や血便、痔瘻及び静脈曲張を改善します。
4.冷え、むくみや腰痛、足の痛みに効果があります。
5.子宮の出血及び閉経などの婦人病に効果があります。
6.貧血、骨粗鬆症を改善します。
7.コレステロールを下げ、心臓の血管、脳血管の治療をサポートします。
8.脂肪の減少に効果があります。

※注意事項※
黒きくらげは多量のアデノシンを含有しています(1g当たり154mg)。アデノシンは血小板が凝集するのを防いでしまうので、大量の出血があった時や、手術の前後や抜歯の前後、女性の月経の期間中には、量を減らすか、もしくは食用を一時停止してください。


〜おわりに

 古より、中国には「民は食を以て天と為す」(民衆は、日々の食事こそを天の神様と仰ぐ)という言葉があります。つまり、食事で養生を行い、病気を防ぐことは、古からの経験と智慧に基づいていることなのです。韓国へ旅行すると、行く先々で「農は国の大本なり」(農業こそが国の基本である)という一文を見ることができますが、これは中国と同じ医食同源、薬食同源の思想を韓国も持っているからです。唐代の名医である孫思?はその著書『備急千金要方』の「食治編」で、「もし食事によって、慢性病や急性の病を癒し、過剰な感情を無くすことが出来るなら、それこそまさに良い医者が長年に渉って続けるべき素晴らしい養生法である。医道を行うものは、病気の源を明らかにし、病に浸食されている部分を知り、その上で食事で治療するべきである。食事で治療ができなかった時に薬を使うものである。」と記し、食事の重要性を強調しています。また西洋で医聖と呼ばれたヒポクラテスも、「あなたの食べる食事こそが、あなたにとって最も良い薬となる」と述べ、世の人々を戒めています。このように、西洋東洋のどちらにおいても、医の達人の考えはほとんど同じです。

 したがって、心臓と脳の血管の疾病を予防する時にも、合理的な自然の食事を摂るほかに、適度な運動、禁煙と飲酒の制限、過剰に感情を昂ぶらせないことが必要です。それではここで、ちょっとした健康維持の方法をお教えしましょう。毎日の三回の食事に、適宜黒きくらげをメニューに入れ、50〜80グラムを食べるようにします。(サラダにする場合は、先に湯通しすることをお勧めします)。また同時に、朝晩の空腹時に高濃縮の霊芝もしくは霊芝胞子のカプセルを服用します。この方法には、四つの良い点があります。

(1)霊芝の苦みは唾液の分泌を勧めます。「活」の漢字を分解すると「千口水」となりますが、これは口水、つまり唾液が多量にあることが、活力があることの判断基準となる、という意味です。
(2)老齢になると唾液が少なくなると同時に質が落ち、デンプン質を分解する成分などが減少します。霊芝は口の粘膜から直接吸収されることによって唾液腺、耳下腺、リンパ腺などを活性化させ、「病は口より入る」(=各種の病原体の経口侵入)を防ぐのに一定の作用を発揮します。
(3)口腔内の各種の炎症(扁桃炎も含む)や歯周病の改善に一定の作用を発揮します。
(4)霊芝は口腔粘膜と舌下から直接冠状動脈に吸収されることにより、心臓病に対し五つの作用を発揮します。

 1:冠状動脈を拡張し、心臓及び脳の血管を流れる血液量を増やす。
 2:心拍数を調節する。
 3:強心
 4:血液中の酸素量を増やす。
 5:血液の粘度を下げ、血栓を溶かす。
 以上の作用は、食用量の多寡にほぼ比例します。

 まとめると霊芝と黒きくらげを合わせると、いわば救心、救脳の作用があるのです。


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